睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群の主な症状
- 睡眠中のいびき、あえぎ、無呼吸を指摘された
- 十分な睡眠時間をとっても寝足りない
- 日中に強い眠気を感じる
- 起床時に身体が重い、頭痛がある
- 夜中に何度もトイレに行く
- 集中力が低下してきた
- 日中、意識が途切れることがある
- ED(勃起不全)
など
高血圧・糖尿病、心筋梗塞や脳卒中といった病気の発症リスクが高くなったり、事故などを起こす可能性もあります。ご自分だけでなくご家族の安全のためにも、上記のような症状に気付いたら早めにご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群の簡易検査
問診で症状の内容などについてくわしくうかがって、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、簡易検査を行っています。これは専用の検査機器を当院からお貸しして、患者様がご自宅で行う検査です。鼻と口に呼吸センサーを、指に血中酸素濃度を計測するセンサーをつけて普段通りに眠るだけです。返却された検査機器のデータを解析して、10秒以上の無呼吸や低呼吸が1時間あたりに何度起きていて、その際の血中酸素濃度低下の有無を調べることで睡眠時無呼吸症候群の症状の程度を判断して診断します。
睡眠時無呼吸症候群の治療法
睡眠時無呼吸症候群は、適切な治療を受けずに8年間放置した場合、死亡率が約37%になると指摘されています。適切な治療によって生存率を健常人とほとんど変わらない程度にできると考えられており、状態を改善することで生活の質を保つことができ、事故などのリスクも低減できます。
「たかがいびき」と軽視せず、症状に心当たりがあったら早めに受診してください。
CPAP療法
「Continuous Positive Airway Pressure」の頭文字をとったCPAP(シーパップ)療法は、日本語では経鼻的持続陽圧呼吸療法と表記されます。睡眠時無呼吸症候群の中等症から重症の方に有効で、現在では日本国内や欧米では主流の治療法になっています。鼻に装着したマスクから送られる空気による一定の圧力で気道の閉塞を防ぎ、睡眠中にスムーズな呼吸ができるようにします。無呼吸や低呼吸がなくなって上質な睡眠をとれるようになるため、日中の眠気などの症状も解消できます。
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マウスピース
軽症で、あごなどに問題があって無呼吸や低呼吸を起こしている場合に適しています。下あごを上あごよりも前に出るよう固定する専用のマウスピースを歯科医院で作成し、それを装着することで気道を広げた状態を確保します。
生活習慣の改善
肥満が原因で睡眠時の無呼吸や低呼吸を起こしている場合、肥満を解消することが根本的な治療になります。適切なカロリー制限、運動の習慣化などで適正体重(標準体重)まで減量し、それをキープしましょう。そして、飲酒は筋肉を弛緩させるため、睡眠時に気道を閉塞させやすくなるため寝酒は厳禁です。
また、睡眠薬など筋弛緩作用のある薬を服用している場合は、処方の変更も検討します。