インフルエンザ

インフルエンザと風邪

インフルエンザと風邪どちらも発熱、咳、のどの痛みなどの症状を起こす感染症ですが、風邪はさまざまなウイルスによって発症し、インフルエンザはインフルエンザウイルスによって発症します。
風邪の症状は比較的軽く、主な症状は咳、鼻水、のどの痛みで熱もそれほど高くならないことが多くなっています。インフルエンザは38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感などの強い全身症状が急激に現れ、その後に咳やのどの痛み、鼻水、吐き気や腹痛などを起こすことがあります。
インフルエンザはまた、気管支炎や肺炎、インフルエンザ脳炎などを起こすこともあります。高齢者、基礎疾患がある、妊娠している、乳幼児などは合併症を起こす可能性が高いため、特に注意が必要です。

予定通り10月1日より接種を開始する方針です。

当院のインフルエンザワクチン接種の料金は税込み¥3,500です。

インフルエンザワクチン接種をご希望の方は、お手数ですが必ず03-6413-9905にご予約のお電話をお願い致します。

インフルエンザの流行について

毎年、12月半ばくらいから流行がはじまって、1月~2月にピークを迎えます。最近は晩秋にも流行を起こすことも増えてきています。こうしたことから、早い時期の接種を希望されることもあるのですが、インフルエンザワクチンの効果は接種後5ヶ月程度のため、あまり早く受けてしまうと流行のピーク時に効果が切れてしまう可能性があります。流行のピークにしっかり予防効果を保つためには、10月中旬~11月中のタイミングで接種することをおすすめしています。
なお、予防接種を受けても、感染する可能性はあります。その際の重症化はワクチン接種によって防げますが、感染しないためには、こまめなうがい、丁寧な手洗い、正しいマスクの装着などが重要になります。また、栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠なども予防につながります。

インフルエンザの潜伏期間と感染

インフルエンザの潜伏期間は個人差がありますが、1~4日程度のことが多く、平均した場合には2日程度と考えられています。症状が起こる1日前から感染する能力を備えると考えられていて、主に飛沫感染・接触感染でうつります。

飛沫感染

感染している方の咳、くしゃみ、唾液などの飛沫の中に存在するインフルエンザウイルスを吸い込んで感染します。マスクを正しく付けることで感染予防効果を期待できます。人が多い場所は感染リスクが高いため、注意してください。

接触感染

ウイルスが表面に付着したものに触れて、手にウイルスが付着し、その手で口や鼻などに触れてウイルスが粘膜に付着して感染します。感染した方がくしゃみをする際に手で口を押さえ、その手で触れたドアノブや手すりなどにウイルスが付着するなど、さまざまな接触によって感染します。こまめに手洗いし、外出時には顔に触れないよう心がけてください。

具体的な予防法

感染症は、「うつらない」ことだけでなく「うつさない」ことも重要です。飛沫感染や接触感染を起こさないためにしっかり対策を行っていきましょう。インフルエンザに感染しても軽い症状しか起こさないことがあり、症状が全くない不顕性感染者も存在します。自覚症状がなくても、「うつさない」ことを心がけることが重要です。

手洗い

帰宅時、調理の前後、食事前は、石鹸をよく泡立てて、指先、指の股、手のひら、手の甲、手首をしっかりこすり、流水できれいにすすぎ、乾いたタオルできれいに水気をとりましょう。

外出時

ドアノブ、手すり、エレベーターのボタン、つり革といった不特定多数が触れる場所に無意識で触れている可能性が高いため、外出時はできるだけ顔に触れないようにしましょう。
手洗いができない場合に備えてアルコール手指消毒剤を持ち歩き、飲食前などのタイミングで使用するのも有効です。

マスク

マスクは人にうつさないことを目的にしていますが、自分の感染リスクを下げる効果も期待できることがわかってきています。そのために重要なのは、正しくマスクを着用することです。口と鼻をしっかりおおって、上部にワイヤが入っているタイプの場合は鼻にぴったり合わせて曲げ、隙間なく着用するようにしてください。鼻をおおっていなければ効果が期待できないため注意してください。
なお、マスクに触れることで接触感染を起こすこともあります。マスクを外す際には表面に触れないよう心がけましょう。またマスクの着用前や外した後には手洗いやアルコールによる手指消毒を行うようにしてください。
また、ウイルスは乾燥していると粘膜に侵入しやすくなるため、口内の保湿という意味でもマスクは役立ちます。
ただし、マスクをして息苦しくなる場合は無理をせず、どういった対応が適しているか医師に相談してください。

咳エチケット

咳やくしゃみが出る場合は、マスクをしていても人の方を向かないようにしましょう。マスクがない場合はハンカチやタオル、ティシューなどで口や鼻をしっかりおおってください。

栄養・睡眠・休息を十分にとる

免疫力を上げるために、栄養バランスがとれた食事を心がけ、睡眠や休息をしっかりとるようにしましょう。
免疫力を高めるためには、ビタミンDやビタミンA、ビタミンCをしっかりとることが重要です。免疫細胞の材料になるタンパク質も不可欠です。さらに、腸内細菌叢の状態も体調や免疫に影響しますので、納豆や乳酸菌も積極的にとってください。

室内の換気・加湿

換気は室内のウイルス量を低下させるために有効です。また、乾燥した低い温度の空気はウイルスの活動を活発にします。また、乾燥するとのど粘膜の防御機能が弱くなって感染しやすくなります。室内の湿度が40%を切ってしまった場合には、加湿器などによる保湿が必要です。また、室温は20~25度に保つと効果的です。
空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下します。乾燥しやすい室内では加湿器などを使用して、適切な湿度(50%~60%)を保つようにしましょう。加湿器は中にカビなどが生えないよう、こまめに手入れすることも重要です。
なお、睡眠時にマスクをつけると口内やのどの乾燥を防ぐことができます。ただし息苦しく感じたり、睡眠の妨げになったりする場合は無理して着用する必要はありません。

外出の際の注意

流行のピーク時には、高齢者、基礎疾患がある方、妊娠されている方、疲れなどで免疫力が下がっている方は人が多く集まる場所をできるだけ避けるようにしてください。

インフルエンザの予防接種

インフルエンザの予防接種インフルエンザワクチンの接種は、効果的な発症予防策であり、かかってしまった場合も重症化リスクを低減できます。インフルエンザが重症化すると、気管支炎、肺炎、脳症などの深刻な合併症を起こすことがあります。

ワクチンの効果については厚生労働省やCDC(米国疾病管理センター)が調査を行っていて、発症率を20%程度低減できることがわかっています。また感染してしまった場合も軽い症状ですむことも指摘されています。
高齢者、基礎疾患がある方、呼吸器・心臓・糖尿病などの持病がある方には特にワクチンの接種がおすすめできます。

予防接種では個人差はありますが接種してから2週間程度してから効果が現れはじめ、効果が有効な期間は約5ヶ月とされています。例年、流行ピークとなる1月~2月に予防効果を維持できるよう、10月中旬~11月中の接種をおすすめしています。

インフルエンザの治療

インフルエンザの主な治療法は抗インフルエンザウイルス薬の投与です。ウイルスの増殖を抑える効果があるため、発症から48時間以内に用いることが重要です。抗インフルエンザウイルス薬以外にも、つらい症状を緩和させる解熱剤・鎮咳薬・去痰薬等を用いることもあります。
抗インフルエンザウイルス薬には、タミフル・ゾフルーザ・リレンザ・イナビル・ラピアクタなどがあります。
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